バイオフィリックデザインを取り入れる

バイオフィリックデザインを取り入れる

バイオフィリック・デザイン

バイオフィリックとは『バイオ=生命・自然』と『フィリア=愛好・趣味』という言葉から生まれた造語です。

米国の生物学者エドワード・ウィルソン氏が提唱した「人間には自然とつながりたい本能的欲求がある」という概念を反映した空間デザインで、観葉植物を部屋やオフィスに置いたり、柔らかな日差しが差し込むようにしたり、インドアガーデンを取り入れたり、自然とのつながりを感じられてより人間らしく健康的に日々を送れるようにしよう、というデザインコンセプトです。

植物や太陽の光などが目に入る環境下では、そうでない環境下より幸福度は15%、生産性は6%、創造性は15%上昇したとの報告もあります。

Uncommon(ロンドン)

海外では、緑を多く取り入れた米グーグルや米アマゾン・ドット・コムの本社が有名ですが、多くの企業がバイオフィリックデザインを意識したオフィスへと変化しています。
ロンドンのコワーキンスペースUncommonは、くつろぎながら仕事ができるインテリアに加え、観葉植物が所狭しとディスプレイされているほか、照明や室内の香りにまで気が配られています。

Uncommon

自宅にバイオフィリックデザインを取り入れる

日常の多くを過ごすリビングルームはリラックスできる場所であることはもちろん、家に帰るのがワクワクするような空間であることも快適なリビングをつくる上で大切なポイントです。 観葉植物や自然光を上手に取り入れ、バイオフィリックなリビングルームを創ってみてはいかがでしょうか。

天然素材のインテリア

天然素材のインテリアは、快適な空間作りに欠かせません。温もりのあるナチュラルな素材に囲まれると、その心地良さに家の中で過ごす時間が長くなるという傾向もあるようです。

家に入った瞬間にほっとひと息つける、思わず深呼吸したくなるような清々しい居住空間を求めるなら、天然素材でできたインテリアを意識すると良いでしょう。

天然素材は実用面でも優れてます。
例えば丈夫で長持ちする傾向があり、その上吸湿性や保湿性が高いため、一年を通して快適に使うことができるのです。時間を経るほど風合いが変化し、肌馴染みもよくなるのも特徴です。
年月を重ねるほどにツヤが際立ち色味が深まる。
まるで暮らす人と一緒に年を重ねているようで、愛着が湧いてきますよね。 オフィスやショップ、サロンのように鮮度を保つため頻繁にインテリアを変える必要の少ないご自宅でバイオフィリック空間を創り出すなら、天然素材のインテリアがオススメです。

観葉植物×天然素材の相性を生かす

天然素材と観葉植物の相性は抜群で、バイオフィリック空有感創りにおいて失敗のない組み合わせと言って良いでしょう。

ポイントは大きめなシンボルツリーを1つ配置すること。
シンボルツリーにする大きめな観葉植物は価格も高いものが多いので、観葉植物を育てるのが苦手な方には、フェイクグリーンに置き換えても視覚的な効果は得られます。 部屋のバランスを見ながら少しづつ小さな植物を増やしてみてください。 室内でも丈夫に育つ種類を選ぶのもポイントです。

照明にこだわる

バイオフィリックデザインは、植栽をたくさん置けばよいと解釈をされがちですが、光や音、色や香りなどさまざまな手段を総合的に用いて、自然そのものの環境を取り入れるのがコンセプトです。

中でも一番重要なのは、自然光を取り込むことです。
自然光は体内時計のバランスを保つために必要で、日中の気分を快適にし、夜の安眠をサポートします。
部屋に窓がない場合などは、日中は明るく夕暮れと共にだんだん照度が落ちるように設定されたサーカディアンライティングシステム照明の導入という手もありますが、寝る1~2時間前に過ごす部屋の照明を50ルクス程度の明るさにし、間接照明、調光機能で部屋の明るさを落とすだけでも効果があると言われています。

白い照明に多く含まれる「ブルーライト」は、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑えてしまうので、照明の色は白ではなく暖色系がおすすめです。

JOURNALに戻る